知事選挙を受けた臨時議会が10日開かれました。
議案は、茂原副知事再任の一件だけでしたが、県民の関心は、「週刊新潮」にスクープされた知事公舎女性宿泊問題について大沢知事がどう釈明するのか、議会がどう対応するのか、にあったと思います。
大沢知事は、冒頭の知事就任挨拶のなかで、週刊誌報道について「県民にご迷惑をおかけしたことを心からお詫びしたい。深く反省している」と謝罪の言葉は口にしましたが、指摘されている疑惑や事実関係については一言もありませんでした。
私は、本会議の最後に動議を提案しました。
「知事公舎女性宿泊問題についての先ほどの知事の釈明は、県民の納得を得られるものではありませんでした。よってこの問題について知事の詳細な補足説明を求める動議を提案します」
あわせて「心ある議員の賛同を期待します」とよびかけました。動議の成立には2人の賛成者が必要だからです。
しかし、賛成者は同僚の酒井宏明議員しかおらず、動議は不成立でした。
日本共産党県議団は、この問題が起きた直後から、議会がチェック機能を発揮して真相の究明を行うべきだと繰り返し主張し、特別委員会の設置などを他会派に申し入れてきましたが、同調する議員は出ませんでした。
地方自治法132条が、議会での私生活にわたる言論を禁じている、というのが他の議員の理屈なのですが、ここでうたわれている「私生活」とは、知事やその家族の通常の私生活のことであって、反社会的行為とされるような女性問題が税金が投入された知事公舎でされたことを追及できないなどというのは、勝手な解釈だと思います。
この事件で、群馬県民がどれだけ憤慨し、惨めな気持ちになっているのか、デスティネーションキャンペーンで群馬を売り出そうと言うときに、「トップセールス」を常々口にする知事自身のスキャンダルでどれだけ県政にマイナスになっているのか、そのことを考えれば、議会として問題にしない方がおかしいし情けないと思います。
本会議の閉会にあたって南波議長は、「二元代表制」を強調しましたが、執行者を追及できない議会は、ただの応援団にすぎません。
7日夕刻、群馬県西北部に降った豪雨で、八ッ場ダム予定地付近で土砂崩れが数カ所発生。JR吾妻線がストップし国道145号線が通行止めになっています。土砂崩れは生活再建のために新たに造成した代替地でも発生。翌8日、私は現地に行ってみました。
国道に面しているJR川原湯温泉駅は、国道の反対側にある打越代替地からの土砂が襲い、国道も駅構内も土砂が覆う状況に。駅の反対側にある国交省の施設も山側のドアの中程まで土砂に埋まる状況です。
代替地に上る工事用道路は路肩や路面が激しくえぐられ、法面も一部崩壊しています。復旧作業に当たっていた作業員のひとりは、「舗装した道がこれほどえぐられるのは経験がない。森林に降った豪雨ではなく、造成地の裸の土地に降ったから勢いが違うという感じ」と語っていました。
また、代替地上部の沢も一部に土砂崩れがみられ、造成地内でも、道路が一部で崩壊するなど、豪雨が代替地そのものに被害をもたらしていました。
八ッ場ダムでは、代替地の安全性が争点の一つとなっていますが、今回の土砂崩れについても検証が必要ですね。