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2012年4月 3日 (火)

3月県議会その5 開発より福祉に予算を

 2012年度県予算について日本共産党は反対しました。

 待機者が9000人に迫り深刻になっている特別養護老人ホーム不足問題。ところが来年度の県の増床計画は、市町村と合わせても400床足らずで、待機者の増加にも追いつかない状況です。

 また、平均900円の値上げで65歳以上の方は月額4,900円前後になる介護保険料――年金生活者をはじめ負担は限界状態。なのに県には特別の対策はありません。

 一方で、大型道路事業の「7つの交通軸整備」は前年比110%の234億円、八ッ場ダム関連事業には97億円と、大盤振る舞い。予算の使い方をくらし・福祉・教育最優先に転換させるように求めました。

3月県議会その4 八ッ場ダム再開は政治の無策

 「八ッ場ダム本体工事の早期着工を求める意見書案」に対して私が反対討論。故郷を水没させるダム建設の再開を万歳をもって歓迎した知事らの姿勢に触れ、「ダム建設がなければ地元の生活再建ができない」などの主張は「政治の無策を吐露しているようなもの」と厳しく指摘。

 「長い間ダムで振り回して申し訳なかった。しかし、ダムなしでも責任をもって生活再建をすすめます。半世紀にわたる物理的、精神的な苦しみに対しても補償してゆきます――そう地元に詫び、施策を整え、理解を得る努力をすることこそ政治の役割ではなかったのか」「八ッ場ダムは、巨大な負の遺産。政治はダムなしの生活再建を選択するべき」と主張しました。

3月県議会その3 TPPで県内雇用マイナス22000人

 日本のTPP参加で県内の農業と関連産業あわせて1,000億円以上生産が減少し22,000人超の雇用が喪失すると考えられる――私が環境農林常任委員会で明らかにしました。

 県農政部はこれまで「TPP阻止」の明言は避け、県内経済への影響額の試算を拒否してきました。伊藤県議は、県の産業連関表分析ツールを使って独自に試算したのが表記の結果です。「TPPに正面から反対する立場でなければ群馬の農業は守れない」と迫りました。

3月県議会その2 「放射能副読本」

 国や県が拠り所としている国際放射線防護委員会(ICRP)の基準は、「原発と共存するにはこの程度の被ばくはガマンしろ」というような考え方です。放射性物質を体内に取り込む内部被ばくなどはほとんど考慮されていません。ですから信じられないようなことが起こります。

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 その一つが文科省が原子力業界団体に委託してつくらせ、4月から全ての小・中・高校生に配布する「放射線副読本(写真)」。100ミリシーベルト以下の被ばくに「がんが増える明確な根拠はない」と書き「放射線は身近にあるもの」と繰り返す異質な内容です。
 日本共産党は「原発事故の記述もほとんどなく、放射能は怖くないという誤った認識を子どもに植え付けることになる」と配布中止を求めました。

 県主催の「健康への影響に関する有識者会議」もその一つ。放射能の専門家といいますが肝心の放射線防護学の専門家はおらず、非公開のたった一回の会議で群馬の放射能汚染は「全く問題ない」と安全宣言を出しました。
 これを厳しく追及すると他会派の議員も同調、会議の公開を約束させました。

3月県議会その1 こんな防災計画じゃ

 群馬県は今年1月、東日本大震災と福島第一原発事故を受けて県の地域防災計画を見直し、新たに「県外の原子力施設事故対策」の項を設けました。ところがこの計画、放射線のモニタリングや情報伝達などをうたっていますが、個々の原子力発電所で事故が起きた場合のシミュレーションは全くありません。

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 上図のように県内に原発はなくても群馬は多くの原発に囲まれています。県都・前橋から200㎞以上離れた福島原発の事故でも、今回のたいへんな放射能汚染が起こりました。北北西約120㎞にある柏崎刈羽原発は7基の原発が集中しその出力は世界一です。冬の季節風が吹く時期に今回のような事故が起これば、2~3時間で放射性物質が飛んできます。そんなとき、県民の命をどう守るのか、具体的な計画にしなければ、福島原発事故を受けて防災計画をつくる意味がないというべきです。

 しかし、県の計画は具体的なシミュレーションがありませんから、事故が起きたとき県民はどう行動すればいいのか、避難の方法も、場所も具体化していません。福島原発事故で活用されず批判の的となった「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」についても触れられていません。全県民の避難を想定した水や食糧、燃料などの備蓄は極めて不十分、初期の被ばく対策として重要なヨウ素剤に至っては備蓄ゼロです。

 私たちは一般質問で、具体的シミュレーションをしない理由を問いただしました。県危機管理監の答えは「国の防災指針の策定を待つ」というものでした。
 県の計画は「防災」の名に値しません。一方、どんなに綿密な計画をたてても放射能汚染を防ぐことは不可能です。そこで大沢知事に問いただしました。「原発事故から県民を守る最大の対策は原発そのものを廃止すること」「ストレステストによる原発再稼働は許されないことを表明するべき」と。
 しかし知事は「脱原発は国民的コンセンサス(合意)が必要」「国の安全性の検査を見極める」とここでも国まかせの答弁。日本共産党は、本気で県民の命を守る防災計画の作成を求めました。

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